【wds3rd感想】うまぴょい伝説で泣く男

こんにちは、南極です。今回は約3年ぶりの開催となった「ウマ娘 プリティーダービー」のナンバリングライブである「ウマ娘 プリティーダービー 3rdEVENT WINNING DREAM STAGE」を配信で視聴した感想を書いていきます。

基本的には曲とパフォーマンスに対する感想です。触れない曲もあるのでセトリ通りではありません。演者やセトリ、マルチアングルについての感想もあります。よろしくお願いいたします。

GIRLS' LEGEND U (両日1曲目)

「やっとみんな会えたね」で泣かんやつおらん。ゲームで流れた時も泣いたけど。

やはり全員で歌うGIRLS' LEDEND Uは壮観の一言に尽きますね。本当に演者がウマ娘にしか見えませんでした。ウマ耳装着はもちろんですが、髪型やメイク・様々なグッズでウマ娘の姿に近づこうと努力してくださっていることが分かり、感動もひとしおです(ツインターボ役の花井美春さんはターボの瞳の色をアイシャドウで表現されていました、細かい!)。ウマ娘のライブを見ていることを実感した瞬間でした。本当に幸せだった。

彩 Phantasia (Day1・3曲目)

個人的に今回のライブで跳ねた曲1位です。ゲームではエアグルーヴの歌しか聞けないので良さを理解しきれませんでしたが、6人で歌うと印象がかなり変わりました。

具体的には力強さがかなり増します。ティアラ路線を勝ったウマ娘のための曲であり、華やかさと力強さが同居した曲調になっているのですが、複数人による歌唱によって前向きなパワーを強く感じることができました。オリメンの青木瑠璃子さん(エアグルーヴ役)は抜群の安定感でしたが、上田瞳さん(ゴールドシップ役)も声が出てた印象です。現地はもっとすごかったんだろうな…

何気に歌詞もすごく強気なんですね。「世界中敵に回っても 離さない ゆずれない 逃がさない」ですよ。G1勝つウマ娘はこのくらい強いメンタルを持ってないといけない、ということだと思うんですけど、それをあんな可愛らしい曲に入れ込むのがすごいですね。

とにかくこの曲の評価がめちゃ上がりました。WINNING LIVE 02 の発売が楽しみです。

帝笑歌劇 ~讃えよ永遠に~(Day1・7曲目)

「ていえむおぺら ~たたえよとわに~」です。テイエムオペラオーのソロ曲であるこの曲、明るく楽しいライブ向きな曲なのでぜひ聴きたいと思っていました。一方でたくさんあるソロ曲の中の1曲でしかないのも事実で、まさか3rdで披露されるとは思わなかったので僕にとっては嬉しいサプライズでした。

まず驚いたのは歌割でした。歌詞(Aメロの一部)を引用します。

(ビューティフォー!)「お待たせしたね、ごきげんよう!」

(ゴージャス!)「そうさ、真の本命の登場さ!」

(ワンダフォー!)「勝つのは当たり前、美しくなくちゃ!」

(ホントにパーフェクト!)「ボクこそナンバーワンだよ!」

文章にしてみるとヤバいな。私はてっきりライブでは「」内を歌うものとばかり思っていたのですが、蓋を開けてみると()内が歌われました。マジで??????????

別に文句はないんですけど、なんで()の方なんだろう。セリフ言った方が自然だと思うんですけど、観客が声を出せないからですかね?

この曲に限ったことではないのですが、やはりコールを前提にして作られたタイプのキャラソンは厳しかったですね。オタクの叫び声があって初めて成立するような曲もあるので物足りなさが残ります。ぜひリベンジして欲しい...!

徳井青空さんは完璧にテイエムオペラオーでした。すごかったです。

ENDLESS DREAM!! (Day1・8曲目/Day2・6曲目)

Day1とDay2で全く違った見せ方をしてきた曲です。

まずDay1。マジで星谷美緒さんが神です。キャラの声で歌いながら、本当に楽しそうにパフォーマンスをする姿が良すぎました。マヤノトップガンがダブって見えました。個人的にはMCや自己紹介で緊張気味だったのも良い。

そもそもマヤノトップガンの声優は今村彩夏さんだったのが、同氏の引退に伴って星谷さんに代わったという経緯があります。単純にマヤノトップガンと向き合ってきた時間が他の演者よりも少ない中で、抜きんでて素晴らしいステージを見せてくれたように感じました。

Day2はアニメにおけるカノープスのメンバー2人(花井美春さん・前田佳織里さん)が登場しました。アニメで重要な役どころを担ったカノープスがライブに呼ばれること自体には異論ありませんでしたが、一方カノープスにはこれといった代表曲がないので、ライブでどの曲を歌うのかが開演前には想像がつきませんでした。

ENDLESS DREAM!!はゲームではジュニア級でG1を勝つと聴くことができますが、曲自体は明るい未来を予感させるものでどんなウマ娘にも合うので、G1勝ちのないカノープスメンバーにも適していたように思います。アニメで活躍したキャラが多く呼ばれたDay2で、しっかりと彼女らも爪痕を残せたと感じました。

Silent Star (Day1・17曲目)

高野麻里佳さんとサイレンススズカが東京ガーデンシアターを支配してた。

筆舌に尽くしがたいのでもう何も書かん。

SEVEN→アウト・オブ・トライアングル (Day2・7→8曲目)

このつなぎ考えたやつ誰?マジで金払いたいから名乗り出てくれ。

シンボリルドルフのソロ曲からナイスネイチャのソロ曲へ、というつなぎです。この2人(頭)を並べられると、僕でなくてもその成績を対比したくなるのではないでしょうか。

シンボリルドルフはG1を7勝した正に伝説級の馬でした。常に王道を歩み結果を出し続け、見る者全てを魅了し、「皇帝」の二つ名にふさわしい活躍で最後は果敢にも海外遠征に挑みました。圧倒的な強さが話題を呼んだ馬と言っていいでしょう。

翻ってナイスネイチャは、G1での善戦止まりが皮肉にも話題を呼びました。一番有名なエピソードは「有馬記念3年連続3着」。マイルから天皇賞春まで幅広い距離をこなし、確実に掲示板(5着以内)に入るもののどうしても勝てない。器用貧乏さ、人間臭さが人気を高めることになったのです。

勝つ馬がいれば負ける馬がいます。G1であれば1つのレースで17頭は負けます。勝利という栄光の陰に隠れる馬が必ずいる。まさにこの2頭は、時代は違えどもレースの光と陰を体現したといっていいと僕は思うのです。

ウマ娘の話に戻りましょう。

SEVENは歌唱するシンボリルドルフを映しているかのように、レースでの勝利を希求し挑戦者を待つ曲です。飛び抜けた実力に裏打ちされた力強さと、トレセン学園生徒会長として周囲のウマ娘を引っ張っていく覚悟を示す珠玉の一曲です。ライブでは田所あずささんの良く通る歌声もあいまって、完成度の高いパフォーマンスに圧倒されました。

この後がナイスネイチャ。ヤバい。こんな希望溢れるシンボリルドルフの後がナイスネイチャです。温度差で風邪を引きそうです(ご時世的に憚られる表現ですねこれ)。それ以上に、ナイスネイチャの曲は内容がヤバいのです。

曲のテーマを端的に言えば「あなたの1番だけは誰にも譲らない」です。いついかなる時でも1着を目指すシンボリルドルフとは対照的に、ナイスネイチャトゥインクルシリーズにおいて勝てないレースがあることを完全に受け入れています。レースでは勝てない。主役にはなれない。それでも「キミ」を諦めたくないから、勇気を出して追いかけよう、という曲です。はっきり言えば一途な乙女心を描くラブソングです。

シンボリルドルフとはテーマが違えど、圧倒的な力強さを持っているのはナイスネイチャも同じなのです。その意味で、SEVENの後を受けられるソロ曲はアウト・オブ・トライアングルしかありません。激熱の野心には激重の恋心をもって対抗する。レースでは対照的な結果の2人がそれぞれの「心」を我々にぶつけてくれます。このつなぎが神なのは、シンボリルドルフナイスネイチャが、歌のテーマやウマ娘としての性格は違っていても、人一倍のほとばしるエネルギーを持つ2人であるということをセトリを作った人間がしっかり把握しているということが分かるからです。

ウマ娘運営一生ついてく...ついてく...

うまぴょい伝説(両日アンコール2曲目)

エモくはないかもしれません。まず電波曲です。万人にウケるタイプの曲じゃないです。ウマ娘全体のテーマ曲なのに、あんまりメッセージ性もありません。

それでも、ウマ娘をずっと支えてきた曲なのです。その曲がライブの最後に、たくさんのトレーナーの前で披露されるということ。これ以上の喜びはありません。

曲中の間奏を長く引き伸ばして、そこで演者に挨拶させてたのはいいなと思いましたね。どうしても最後の挨拶って尺が長くなりがちなので、曲中なら全員急ぐし悪くないなと思いました。

全体の感想・4thへの期待

3rdは全体的にクオリティが高くて驚いたというのが正直なところです。特にソロ曲は2017年に発売のCDの収録で歌って以来、という演者もいたと思うのですが、ブランクを全く感じさせない素晴らしい出来だったと思います。

Day1とDay2で演者が変わったことも大きいと思うのですが、セトリも次に何が来るか分からないワクワク感がありました。ソロ曲は全く読めませんでしたし、両日歌われた曲でも順番が違っているなど、Day1とDay2では全く違うライブになっていてとても楽しかったです。

実際にはなかったのですが、3rdで高確率でやるだろうなと思っていた曲がありました。それはStarting Gateに収録されている3人ユニット曲です。特にゲーム内のチーム競技場でBGMになっている「Fanfare for Future!(スペ・スズカ・テイオー)」や「奇跡を信じて!(タイキ・グラス・ヒシアマ)」などはオリメンがかなり揃っていたので間違いなくやると思っていましたがなかったですね。

それも含めて、3rdは新規に優しいセトリになるように意識していたのかもしれません。特にアニメ寄りの演者だったDay2はアニメさえ見ていればほぼ全部分かるようにセトリが組まれていたように思います。また演者の数に比べて披露された曲数が少なかった(両日ともアンコール込みで20曲)のも、下手にStarting Gateの曲を入れて盛り下がることを避けたかったのかもしれません。

まだまだライブ未披露の曲が残っているということ自体が、4thへの期待を高めます。ソロ曲をライブでたくさん聴きたいですし、3人ユニット曲も聴きたい。今後のCD展開によっては完全新曲も披露されるかもしれません。コロナ禍で次のライブを楽しみにするという当たり前のことが場合によっては難しくなっている中で、次があるということがどれだけ幸せなことかと思います。

ゲームが大ヒットしたことで、プロジェクトとしてはいよいよ安泰と言っていいかもしれません。しかしライブの展開はまだ始まったばかりで、無限の可能性があります。今回のライブで、ウマ娘の可能性はライブによって更に広がると確信できました。本当に純粋に次のライブが楽しみです。

マジで現地行かせてくれ。俺が行けそうな日程でやってくれ。頼む。

おまけ:ABEMAのマルチアングルどうだった?

今回の配信では、通常料金に約2,000円(通し券の場合)上乗せすることでマルチアングル機能を使うことができました。具体的にどのような映像が見られたのかを情報共有しておきたいと思います。何かの役に立つかもしれないので。

今回のライブではマルチアングル用のカメラは2台でした。会場を上から見た場合と向かって右から見た場合にカメラがどの位置にあるか、を示したのが下の図です。

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斜線部はカメラの可動域のイメージです。カメラ①は会場の最後方の上部に設置。②はステージの向かって右側を広めに動いていました。以下気づいた点です。

カメラ①:カメラの動き、ズームはなし。全体を俯瞰できる映像で、演者がステージ上でどのように移動しているかを把握することができる。細かい振付や表情を見ることは難しかった。

カメラ②:クレーンで吊ったカメラを動かして、ステージの右側を撮影していた。右側に来た演者に寄ることができ、後ろに回ることもできる。大人数の曲ではステージいっぱいに演者が散らばるため、その時は割と良い映像になっていた。

なおメインアングルでは①②のカメラで撮った映像も使われていました。

この映像に2000円出すかどうかは本当に人によると思います。僕はもういいかなと思いました。特定の声優の動きを把握したいオタク、大人数の曲でも隅々まで把握したいオタクにはオススメです。そういう人でも2000円は高いって言う気がしますが。

 

お読みいただきありがとうございました。僕はアオハル杯に戻ります。

次回は凱旋門賞プレビューかウマ娘ソロ曲ランキングでお会いしましょう。