2022年後半にやったこと

こんにちは、南極です。

ここ半年色んなことをしていたはずなんですけど、Twitterにはその断片しか残ってないので記録がてらまとめておきます。

〇活が終わった

本当にもう二度とやりたくないです。

来年度からは8割くらいの確率で東京を含む南関東にいると思うので、都合の合うオタクはぜひ遊んでください。

 

ブルーアーカイブにハマり直す→二次創作をする

これが一番デカい。

ブルアカは元々リリース直後はやってたんですが(証拠ツイート)、すぐウマ娘が出たんでそっちに行っちゃって放置してました。

が、今年の7月末くらいに復帰しました。きっかけはあんまり覚えてないのですが、TLでブルアカの話題(ちょうどエデン条約編のクライマックスだった)が増えたこと、過酷なオ〇ニーなどネットミームの流行、「ちょっとお時間いただけますか」とかだったと思います。

ウマ娘が出るまでは割とやってたのもあって、レベルも35くらいまで上がってたので復帰もしやすかったです。その後は

伊落マリーに狂ったり(当時の俺狂い方の表現ダルすぎる)

任務を進めて、メインストーリーでヒエロニムス君と死闘を繰り広げたり

エデン条約編を読んだりしていたのですが、

ここで運命の出会いが唐突に訪れます。

 

それがこれ!!!!!!!!!!!!!(クソデカ大声)

 

元々片田舎でオタクをやっていた中学生の頃から二次創作、とりわけSSと呼ばれる作品はめちゃ見てました。当時は掲示板に投稿されてたデレマスのSSをまとめサイト経由で読み漁っていたような記憶があります。

エレファント速報さん、元気にしていますか?(このブログを書くにあたって見に行ってみたらSSとか見る影もなくて、マジで凡百のまとめサイトになってて悲しかったです)

とはいえ年齢を重ねるにつれてそういうのも普通に恥ずかしくなり(オタクである時点で十二分に恥ずかしい)、自然に文字の二次創作からは離れていきました。それが高2くらいだったので、ブルアカきっかけで実に5年か6年ぶりにSSに触れたことになります。

 

マジで最高!!!!!!!!!!!!(クソデカ大声)

 

この作品を読んだことで、ひょっとしてピクシブに投稿されてるSSって面白いのでは?と思うようになり、気づけばブルアカのSSを読み漁るオタクが誕生していました。全く成長していない。でも幸せならOKです。

しばらくは文字を貪って生き長らえていましたが、もちろん二次創作にはクオリティの高いものもあればそうでないものもあります。そもそも、自分が読みたいものがそこに置いてあるってことは極めて稀なわけです。

 

じゃあどうするか?

 

www.pixiv.net

 

自分で書くしかないでしょう!

というわけで書き手デビューしました。犠牲になったのは天雨アコです。アコ、愛してるぞ。

とは言っても題材も普通ですし(散歩)、特別に出来がいいと思ったわけでもありませんでした。でも自分が読みたいものが書けたからいいかな、という感じで投稿してみたところ…

 

割と伸びました(10日で約100ブックマーク)。

 

コンテンツとキャラが強いとここまで伸びるんだな、と素直に思いました。あと思ったよりブルアカSSって読み手が多いのかもな、とも。自分の実力からすれば明らかに過大な評価だなと思いつつも、肥大化した承認欲求は満たされました。

その後全然伸びなかったSS(出来は遜色ないというかむしろ上がってると思う)を一作挟んで、3作目として投稿したのがこれです。

www.pixiv.net

みんな大好き生塩ノア。ご多分に漏れず私も彼女の虜にされ、合理と理性の世界へ旅立つことになりました。生塩ノアの話を始めるとこれだけで一本記事が書けてしまうのでこれ以上はやめておきます。

人気キャラなのは分かっていたので伸びるといいなと思って投稿したところ、

 

かなり伸びました(2日で約80ブックマーク)。

 

そして、ついにその時が訪れます。

 

 

デイリーランキングに入りました!!!!!!!!!

知っている人は知っていると思うんですが、最近の小説男子に人気ランキングは基本的にウマ耳の女の子がかなりの割合を占めていて、残り少ないパイを流行りのアニメや比企谷八幡君が食い合っている状況です。ちなみに今は陰キャバンドのターンが来ています。

そういう中でブルアカでランクインするのはかなりハードルが高く、キャラ人気のおかげで初速が良かったゆえの僥倖でした。

そんな感じで、この3カ月くらいですっかり物書き成人男性と化しています。正直気合を入れて始めたわけではなかったのですが想定外に結果が出てるので、これからも細々と続ける予定です。

 

漫画を読んだ

元々名作と呼ばれるものも含めて、ほとんど漫画を読まずにここまで来てしまった人間なのですが、最近の漫画はアプリとかブラウザで読めるので読むようになりました(オタクとは思えない発言)。

せっかくなので面白かったやつを並べておきます。最新話まで読んでないやつもあるのでネタバレしないでください。俺もネタバレはしません。

 

19番目のカルテ 徳重晃の問診

comic-zenon.com

漫画に限らず医療モノは結構好きだったりします。好きだったテレビ番組は総合診療医ドクターGです。なんであの番組なくなっちゃったんだ。

この作品は患者と医者の対話を重視しながら、どんな病気が隠れているのかを探ることを主軸に置いている硬派(?)な漫画です。あらすじとしては地域の基幹病院に新しくできた「総合診療科」で働く若手医師の成長譚ですが、手術などインパクトのある部分ではなく問診をベースとしつつ、医者や総合診療科の存在意義に迫るようなシーンもあるなど、創作における医療の面白さをよく表現していると思っています。

どうしても医療モノって、天才医師をめぐる巨大な陰謀!とか大病院に渦巻く権力争い!みたいになりがちなんですが、僕はそういうのがあんまり好きくないタイプです。それ医療をテーマにする必要ある?と思ってしまうので。

派手さがないので流行らないのかもしれませんが、こういう真摯な作品こそ応援したくなります。個人的には今すぐにでもドラマ化されていいレベルの面白さだと思っているのですが、まあ多分時代に合わないんだろうな…

こういう感じの漫画だと「Shrink~精神科医ヨワイ~」とか「アンサングシンデレラ」とかも好きです。特に精神医療は今来ているらしく、児童精神医療をテーマとした漫画の「リエゾン―こどものこころ診療所―」がドラマ化するらしいので楽しみにしています。原作を読んでましたが、結構正面切って精神医療をやっているので面白いです。

医療モノって千差万別なので、全然ピンと来ないやつもある(元刑事が理学療法士になって働いていたら、かつて追っていた大事件の関係者が転院してくるとか)(なんなんだよその設定は)のですが、面白いやつは本当に面白いのでぜひ読んでください。

 

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~

めっちゃ面白いじゃん、なんでみんなこれ教えてくれなかったの?(みんな言ってたけど俺が無視してただけ)25巻くらいまでしか読めてないから早く最終巻まで行きたい。

もうリンクも貼らなくていいな、読む人は全員読んでるし。でもヤンジャンのアプリとかでかなりの話数を無料で読めるから、読んでない人も読んでください。

とにかく設定が秀逸ですよね。「どっちが先に告白するか我慢比べする」という圧倒的な”ないない”が根底にありつつも、一つ一つのエピソードは生徒会という閉鎖空間の中で喋ったり遊んだりする”あるある”で構成されているので取っつきやすい。恋愛があったかどうかは別として、誰もが部活などで少しく経験したであろう、最大公約数的な雰囲気を作っているのが上手いなと思います。

まあ途中からただのラブコメになっていたような気もしますが、面白いのでいいです。

ちゃんとはまって漫画も読めるだけ読んだし、アニメもTVシリーズは全部見ました。数年越しにチカっとチカ千花の元ネタを回収できたのがちょっとした感動ポイントでした。よーいよーいどーんだYO!

 

フットボールネーション

これも読む人は読んでると思います。スポーツ見るのが好きなのでスポーツ漫画も好きですが、どうも特定の選手にフォーカスするというよりは、本作のようにチームとしての成長に主軸が置かれている方が読んでいてカタルシスが大きいです。

この作品は筋肉や骨格、体の動かし方の視点からサッカーを捉え直すという点に特徴があります。またメインのストーリーが「草サッカーチームが格上チームをひたすら倒して天皇杯制覇を目指す」という、分かりやすい割にあまり取り上げられてこなかった舞台設定も秀逸です。多くの作品が2種あるいはトップチーム(あと3種)を中心に展開してきた中で、社会人サッカーからアプローチするのはちょっと新鮮かもです。

 

卒論を書いた

本当にもう二度とやりたくないです。

一割くらいは楽しい部分もあるのですが、残りの九割が産みの苦しみの連続過ぎてカスです。それが半年くらい続いたので静かに発狂していました。

あとこれは俺だけですが、二次創作と並行してやっていたせいで、SS用の細かいレトリックをうっかり卒論にも書いてしまうミスが頻繁に発生しました。同時期に全く目的の違う文章を書いてはいけない。

訪問調査に行くのはちょっと楽しかったです。でも交通費が全部自腹だからつらかった。約1年で京都、奈良、岐阜、東京、横浜と行く費用は馬鹿にならない。

こんなことでもなければ岐阜で降りることとか絶対なかったと思うので、そこは良かったかもしれないですね。

 

他にもあるにはあるのですが(ウマのライブに行ったとか)、Twitterで言ってるしブログモチベが下がってきたのでこの辺にします。最後に2022年を象徴する恥を晒して終わります。ありがとうございました。

 

「ブルーアーカイブタグ博士」は流石にどう取り繕っても不名誉

 

血統が1ミリも分からんオタクによる注目の2歳馬

こんにちは。南極です。

タイトルの通りです。血統が分からないのでPOGとかも興味なかったのですが、触発されたので心当たりのある2歳馬だけざっと紹介することにしました。血統が分からないので基本的には親と近親の成績の話しかしません。

 

ジュールポレールの牝

ロードカナロア・母父ディープインパクト。母ジュールポレールは18年のヴィクトリアマイルを8人気で勝利しており、これが初仔。マイル戦線での活躍が見込まれるが、叔父のサダムパテックマイルCSなど重賞5勝・皐月賞2着など)を考慮すれば2000mまで使えてもおかしくはない。

ジュールポレールの2020の血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

ララベルの牡

ロードカナロア・母父ゴールドアリュール。母ララベルは大井所属ながら17年のJBCレディスクラシックを勝利するなどダートグレードの牝馬限定重賞で活躍した。大井に入厩した全兄は喉鳴りもあるようで今一つだが、中央に入る本馬はどうか…

ララベルの2020の血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

ペイシャフェリ(ペイシャフェリスの牝)

父は日本供用初年度産駒(ややこしい)となるシャンハイボビー・母父スペシャルウィーク。母ペイシャフェリスは16年朱鷺Sを勝利するなど短距離からマイルでOP級。叔母にはキーンランドC3着など短距離で長く活躍したペイシャフェリシタ。半姉ペイシャフェリシテは21年10月に新馬を勝ったものの、1戦1勝で既に死亡している。夢の続きをこの馬で。

ペイシャフェリの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

スマートジェイナ(スマートレイアーの牝)

ロードカナロア・母父ディープインパクト。母スマートレイアーは美しい芦毛が人気だった馬で、1400・1600・2400でG2を3勝(阪神牝馬Sを2勝・京都大賞典)する距離適性の広さも特徴だった。これが初仔。

スマートジェイナの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

ウキヨノカゼの牡

リオンディーズ・母父オンファイア。母ウキヨノカゼオンファイア産駒の出世頭で、15年のキーンランドCを勝利するなど短距離からマイルで重賞を賑わせた。これが初仔。ウキヨノカゼはダートも使えそうなほど逞しい筋肉をしていたらしいので、それが上手く遺伝しててくれるといいですね。

ウキヨノカゼの2020の血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

 

ここまでご覧になってくれた方はお分かりかと思いますが、単に見覚えがあったり思い入れがある牝馬がお母さんになったから注目する、みたいなことでしかないです。クラシック戦線に乗るとも思っていませんが、もし見かけたら「あの時オタクが言ってた馬じゃん」つって応援してやってください。来年のダービーまでに1頭でも1勝してくれたらいいですね。

気が向いたら追加します。

【sd4th_tokyo感想】備忘録的な乱文

こんにちは、南極です。ライブを配信で見た感想を思うままに書き連ねていきます。まとまった文章としての体裁をなさないかもしれません。なお書いた人間は現地にご用意されず、ライビュの席を取ったら直前で中止になり、泣きながら配信で視聴しました。

総括

今回のライブでは、アニメを中心にこれまでのウマ娘を引っ張ってきたキャラと、これから更なる活躍が期待されるキャラが同時にステージに立ったのが大きいと感じています。ぴょいっと♪はれるや!のオリメン披露などは、アニメ1期~うまよんの頃(もっと言えばそれ以前)からコンテンツの主役級であった「黄金クラス(98世代)」がライブで集結したという点で大変意義深く、アニメファンを満足させるシーンと言えるでしょう。一方でチヨノオーやトプロが入ったWINning5など、ゲームでもまだ登場して日の浅いキャラ(演者さん)もライブで活躍させようとする方針が見えるものもあり、キャラ人気に頼らないスタイルは好ましく思います。

特に印象に残ったのは、ソロ曲のパフォーマンスが想像以上に良かった点です。私はソロ曲については披露されるだけで万歳、歌などの質については一切問わないという姿勢を取っています。ほとんどのソロ曲が約5年前に収録されたものであり、それを今になってライブで歌って踊ってくれ、というのがそもそも結構無理筋の話だと考えているためです。しかし今回披露されたソロ曲は(多少ひいき目はありますが)口からCD音源と言っていい出来の歌にちゃんとした振付がついたものであり、総じて大満足のパフォーマンスでした。演者さんの努力が垣間見えるのもありますが、やはりライブで披露されるのは嬉しいものです。

あとは細かい部分ですが、MCでやることを明確に決めていた点も良かったのではと思います。ステージ上でのわちゃわちゃが本当に大好物である俺みたいな人間もいるのですが、一般的にはMCでグダるのはあんまり好まれないらしいので。

配信で見た私の個人的な感想ですが、観客もかなり我慢が利いていて感心しました。正直その場の高ぶりで叫ぶ人とか全然いるだろうなと思っていたので、そういう声が聞こえなかったことに驚いたという印象です。なんか見たので言っておくと、僕はUOグルグル程度であれば全く構わない派の人間です。つーかそんな現場いくらでもあるだろ、なんで目くじら立ててるんだ。

次回は横浜ですが、特にday1には注目です。day1はスペシャルウィークを筆頭に、これまでのライブを常にけん引してきた98世代や、アニメの中心であったチームスピカのメンバーがほとんど出走しません。誰が中心となってどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、非常に楽しみです。

We Are Dreamers!! (両日1曲目)

「君と見た夢がみんなの夢になる」と歌い出された瞬間に優勝です。ありがとうございました。もうこの後何やってもらっても大丈夫です。

ここまで激賞するのは、誇張なくこのフレーズがウマ娘の全てだと思っているからです。ウマ娘のレース文化、特に誰もが実績のない状態からスタートするトゥインクル・シリーズでは、「夢の共有」が最大のテーマなのです。

具体例を挙げます。ウマ娘は、トゥインクル・シリーズへの参戦にあたって明確な目標を秘めている場合が少なくありません。オグリキャップがレースに臨む理由は「故郷の人たちを喜ばせる」ため、マンハッタンカフェは「『お友だち』の背中を追いかけること」が理由と言えます。そしてウマ娘がトレーナーを選ぶ際には、ウマ娘自身の目標を理解してくれる人かどうか、が大きな判断材料となっているように思えるのです。オグリキャップのストーリーにおけるトレーナーは、故郷の人たちのようにオグリキャップを応援する存在として描写されています。またマンハッタンカフェのストーリーでは、『お友だち』の存在を否定しないだけでなく、彼女を追い越そうと語り掛けるトレーナーの姿が確認できます。いずれも、ウマ娘自身の目標=夢を共有する存在と言えるでしょう。つまり、トレーナーとウマ娘が契約を交わした時、ウマ娘のみのものであった夢は「君と見た夢」に変貌するのです。

では「みんなの夢」はどうでしょうか。ここでいう「みんな」とは、ウマ娘のファンだと考えています。ウマ娘の目標は多様であり、オグリキャップの目標のようにファンにも理解されやすいものもあれば、マンハッタンカフェがあくまで『お友だち』を追いかけてレースに出走している、というファンにとっては知る由もない目標もあります。しかしウマ娘が持つ夢のタイプにかかわらず、ファンは「好きなウマ娘に活躍してほしい」という夢を抱いています。これこそが、「みんなの夢」だと言えるでしょう。

つまり「君と見た夢」と「みんなの夢」の間には確実な乖離がありますが、「君と見た夢」に従ってウマ娘がレースに出走することによって「みんなの夢」が生まれるという関係性にあるため、「君と見た夢がみんなの夢になる」と描写することが可能なのです。その意味で、ウマ娘・トレーナー・ファンという3者の関係を最も簡潔に表したフレーズとして極めて優秀な一文と考えられます。

いくらでも複雑に表現できそうな関係性をここまで短くできる、ということに感動しました。優勝です。

Fanfare for Future!(day1・2曲目)→ぼくらのブルーバードデイズ(4曲目)

オリメン披露はさすがに神。思い返せば3rdの時にオリメンが揃ってたけどSGの曲をあんまりやらなかったんで、こういった3人曲を回収できなかったんですよね。でも今回しっかり回収できて嬉しい限りです。しかしこの時点で僕は「3人曲」を「オリメン」でやるんだな、という重大な思い違いをしてしまい後にすごい衝撃を受けることになるらしいです。

Lucky Comes True! (day1・5曲目)

マチカネフクキタルのソロ曲です。今回のライブで一番うれしかったのがこの曲です。シンプルに曲自体が本当に大好きなので。僕は浅い歌詞オタクなので掛詞が大好物ですが、この曲もご多分に漏れず「最後方の凶から大吉へ」という「凶」と「今日」かなと思わせてくれるやつがあります。曲全体を見ても、占いとレースとトレーナーという3要素を上手く掛け合わせた歌詞がアップテンポな曲調とマッチする感動があります。松井洋平(作詞)は神。

しかしこの曲を取り上げるなら、新田ひよりさんのパフォーマンスを語らないわけにはいきません。マチカネフクキタルの声で歌い続けるのはもちろん、歌い方にもライブ特有のアレンジを入れ、表情をくるくると変えるその姿はまさにマチカネフクキタルそのものです。あえて好きなポイントを挙げるとすれば、2番の最初の「福来るってわけです」の「です」が好きです。何というか、「でぇす!」って感じで。

身体的な負担の問題とかもあって最近では何かと言われがちな声優ライブではありますが、やはり声優ライブっていいなと思ってしまうパフォーマンスでした。

NEXT FRONTIER (day1・6曲目/day2・13曲目)

両日で披露された曲ですが、違いを打ち出せていたのは日原あゆみさん(ヤエノムテキ役)です。まず顔が凛々しい。まあ曲調的にそんなにニコニコする曲でもないので全員かっこいい顔をしているのですが、目がキッと引き締まったヤエノムテキを想起させるレベルの凛々しさを出せています。そして歌も上手で、低めのよく通る声を完全に使いこなせています。

更にGIRLS' LEGEND Uでは少しにこやかに、UNLIMITED IMPACTでは再び凛々しさを前面に押し出す、という風に曲に合わせて細かく出力を変えられるのも大きな魅力と言えるでしょう。

他のコンテンツなら間違いなくセンターを張れる逸材です。これでまだ21歳だというので末恐ろしいものです。

GIRLS' LEGEND U (day1・8曲目/day2・3曲目)

今回はライブ初出場の演者さんが集まっての歌唱となりました。正直言って、キャラによってアニメやゲームで出番の格差は否めないですしソロ曲を持ってるかどうかという目に見えた違いもあります。またそれ以前に今回day1ではハッピーミーク役の吉咲みゆさんを呼んでいます。総じて曲を持たない出演者も一定数いる中で、こうした曲を上手く使って見せ場を作っていくというのは当然やるべきだと感じました。

Exercise the light (day1・9曲目)

佐伯伊織さんの表現力が圧倒的でしたね。キングヘイローのソロ曲ということでプレッシャーもあったかと思いますが、見事に歌いこなしていたのが流石でした。歌で業界に入ってきただけのことはありますね。

気になった点としては、曲の後半にかけてブレスが鋭くなっていた印象があります。肺活量が苦しいのか、あるいはキングの声で歌うのがきついのでしょうか。これも表現の一環だとしたらもう土下座するしかないですね。

Just a little bit (day1・15曲目)

木魚ライブの後、というある意味難しい立ち位置を任されたメジロドーベルのソロ曲です。久保田ひかりさんがドーベルを上手く表現されていたと感じます。

transforming (day1・16曲目/day2・19曲目)

この曲は完全にノーマークでした。デュオ曲でオリメンが揃わないためやらないだろうと予測していたためです。オリメンのうち高野麻里佳さん(サイレンススズカ役)はいたので、1日目は新田ひよりさん(マチカネフクキタル役)、2日目は大和田仁美さん(スマートファルコン役)という縁のあるキャラと歌うという判断になったようですが、純粋に驚きました。数式のARも良かったですね。

この曲難しすぎませんか??特に音程が細かく変わるAメロとサビ前?のロングトーン地獄が鬼門になっているように感じます。デュエット曲なのもあってどちらかがミスれば不協和音になってわかってしまいますし、少しの音程ミスでもごまかせない曲の作りになっていて、とりわけ高野さんは少し自信がないようにも映りました。まだまだ伸びしろがある(そもそもオリメン披露ではないし)と思ったので、追加公演でのリベンジに期待したいと思います。

ユメヲカケル!(day1・19曲目/day2・16曲目)

day1の方はアニメ2期最終話で披露された有馬記念後のユメヲカケル!と全く一緒のメンバーでした。アニメの感動が一気によみがえってくるような感覚に陥りましたね。

禁断Burning Heart (day2・7曲目)

2回目のMC明けて一発目の曲でした。デデン!デデン!デデン!!(イントロ)と聞こえた瞬間にもう拍手が止まりません。この曲に限った話ではありませんが、約5年前から待ち望んていたソロ曲のライブ披露が1曲ずつ回収されていくカタルシスといったらもう筆舌に尽くしがたいものです。

CATCH THE VICTORY! (day2・8曲目)

この曲で注目したいのは、やはり大橋さんの表情です。具体的には、曲の前後でめちゃめちゃニコニコしているのと曲中のかっこいい表情とのギャップですね。ウオッカは本質的にかっこよさを追い求めているので、基本的にはかっこいい表情が良いのだと思うのですが、それはそれとしてウイニングライブでテンション上がってすごい笑顔になっちゃうウオッカもわりと解釈一致みたいなところがあります。多分意識して表情を変えているのだと思うので、大橋さんの豊富な経験に支えられた表現力に感嘆するのみと言ったところですね。

Ambitious World (day2・14曲目)

この曲で改めて実感したのは立花日菜さんと矢野妃菜喜さんの高レベルなステージパフォーマンスです。笑顔を絶やさないのはもちろんのことですが、振付に限らずステージ上での一挙手一投足にキレを感じます。体ごと右(または左)を向いて指差し合う、という振付があったのですが、正面から別の方向を向く体の動きは素早く、指先までピンと伸ばされた腕には美しさすら感じます。

素人なので正しいかどうかわかりませんが、振付自体もかなりハードなもののように思えました。そして歌い切った後も息が全く乱れていません。ステージで歌って踊る、という活動に対する慣れが余裕を生み出しているように考えられますが、「現代型」声優の極致を見た思いがしました。

逃げ切りシスターズのウマドルライブ直前ミーティング→逃げ切りっ!Fallin' Love (day2・17曲目)

大和田仁美さんの話していいですか?しますね。

We Are Dreamers!!で出てきた瞬間度肝を抜かれましたね。ツインテールが似合いすぎている。成人女性のツインテールは普通かなりしんどいものですが、アイドル性が高すぎて違和感すらありません。もう見た目だけでかなりスマートファルコンだったので好感度爆上がりです。そして声が完全にスマートファルコンです(当たり前)。ここまでユニット歌唱のみで、ソロ曲もなく曲中に喋るシーンもなかったのでもっとしっかり声を聴きたいと思っていたところに寸劇を入れてくれました。思考を完全に読まれている。

寸劇はスマートファルコンらしいセリフや口調だけでなく、身振り手振りもカワイイを追求したものとなっており、これを発注通りやり遂げる大和田仁美さんのプロ意識に感嘆するとともに、すっかりスマートファルコンがそこにいるかのような錯覚に陥りました。私がこの錯覚を抱えたまま直前ミーティングは終わり曲へと突入していきますが、そうすると何が起こるでしょうか。そう、大和田仁美さんが何をやっていても「カワイイ」と感じる状態、いわば無敵モードに入るのです。カメラに大和田仁美さんが映るたびに思考の全てを投げ出して「カワイイ」しか考えられない状態で曲を聞いていたわけですが、極めつけは曲が終わった直後にカメラに抜かれた大和田仁美さんのウインクです。もう本当に許せない。かわいすぎる。かわいさで俺を殺そうとしている?

こうして、一夜にして大和田仁美オタクが誕生したというわけです。横浜でまた大和田仁美さんが見れるということに感謝しなくてはならない。本当に神です。ありがとうございました。

大好きのタカラバコ (両日最終曲)

これです。完全にJUNGOの術中にはまっていました。そもそもこの曲はSG06に収録された、生徒会室トリオによる「3人曲」です。この曲が始まるまで、僕はday1序盤のFanfare for Future!からぼくらのブルーバードデイズのつなぎによって、完全に「3人曲」はオリメンが揃ってるやつだけやるもんだと勘違いした状態で、締めの曲は何だろうと考えていました。その結果この曲のイントロを全く認識できず、何の曲か分からなかったので新曲を卸したと思ってしまう取り乱しようです。

落ち着いて考えればUNLIMITED IMPACTを筆頭に3人曲を全体曲扱いにした例はあるわけで、そんなに驚くようなことでもないのですが、それを大きな衝撃に変えたのがセトリの妙でありJUNGOの手腕というわけです。n回目の敗北を喫したということです。本当に悔しい(?)。

全員による大好きのタカラバコは圧巻の一言でした。

走れウマ娘(両日アンコール1曲目)

これも予想外でしたね。まさかライブで聴けるとは思っていませんでした。楽しさ100%で構成された曲なので流石にライブ映えしますね。途中で長々と挨拶を挟んでも気にならないところも時代を超えた名曲ならではでしょうか。

ここ好き

いいなと思ったシーンをひたすら列挙します。

・Next Frontierの間奏で解説をカメラに抜かれ、ウインクする前田佳織里さん(day1)

・UNLIMITED IMPACTの「これが選びたい進化論」で腕を大きく振り上げる会沢紗弥さん(day1)と松井恵理子さん(day2)

・カメラアピールで投げキッスしてくれる高野麻里佳さんと前田佳織里さん(day1)

・トロッコに乗って手を振る様が殿下そのものの橋本ちなみさん(day1)

・木魚ライブを横目に見ながらカメラに虚無顔を向ける鈴木絵里さん(day1)

・急に誕生日を祝われる流れになってステージに呼ばれ涙目の遠野ひかるさんと、ハッピーバースデーの歌で名前を呼ぶ部分がなぜか「遠野ひかる」で呼び捨てになる木魚ライブの皆さんと、ろうそくに見立てた赤色のウマブレードを掲げ遠野さんが吹いた瞬間急いで消す観客の皆さん(day1)

・Ring Ring ダイアリーで「なんか文句ある?」する前田佳織里さんと遠野ひかるさん(day1)

・最後の挨拶でナリタブライアンに呼びかける近藤唯さん(day1)

・最後の挨拶で「またお会いしましょうね。約束です」と言う高野麻里佳さん(day1)

・走れウマ娘の最後、メインステージに戻るのを忘れてトロッコに乗ったままファンサを続ける鈴木絵里さんと、トロッコを離れかけていたけどそれに気づいて戻って呼んであげる会沢紗弥さん(day1)

・最後の挨拶で、明らかに主役と言っていいキャラを担当していながらも「ウマ娘は誰が主役とかない」と言ってくれる和氣あずみさん(day1)

・最初の挨拶で「ドトウさん。救いは、あります」と力強く宣言する新田ひよりさん(day2)

・CATCH THE VICTORY!の最後、高まった気持ちを放出するかのように「ハッ!」と一声発した大橋彩香さん(day2)

・Make debut!の前奏で「ファイト・オー!チヨノ・オー!」をやってくれる野口瑠璃子さん(day2)

・グロウアップ・シャイン!の曲中、ツーショット撮るのか?というくらい近づいてカメラにピースする髙橋ミナミさんと松井恵理子さん(day2)

・Ambitious Worldの最後「レッツゴー!」でのジャンプがえげつない高さの立花日菜さん(day2)

・最後の挨拶で「これからもずっとソウルメイトですよ!」と言って大きく手を振ってくれる新田ひよりさん(day2)

・最後の挨拶で指ハートをいっぱいやってくれる大和田仁美さん(day2)

・最後の挨拶でトウカイテイオーモードのMachicoさんに不意に呼びかけられ、びっくりして素で「はい!」と返事をしてしまう田所あずささん(day2)

 

お読みいただきありがとうございました。次回は横浜の感想でお会いしましょう。

 

凱旋門賞を見よう2021

こんにちは!南極です。今日は記念すべき100回目の「凱旋門賞」が開催されます。日本調教馬も参戦する本レースをぜひともご覧いただきたく、この記事を書いています。

今年の凱旋門賞をより楽しめるよう、注目馬について書いていく記事です。よろしくお願いいたします。

クロノジェネシス

日本から参戦するクロノジェネシスは実績が豊富です。宝塚記念有馬記念を含むG1を4勝。さらに今春遠征したドバイでも2着(ドバイシーマクラシック)と、現役では最強クラスと言っていい牝馬です。また通算15戦で8-3-3-1と、3着内に入れなかったのは1戦のみ(2019年エリザベス女王杯)という安定感も魅力です。

クロノジェネシスについて特筆すべきなのは、いわゆる「道悪巧者」であることです。稍重以下の、馬場が悪いレースで4戦4勝。特に稍重での開催となった2020年の宝塚記念は、2着に6馬身差をつける圧勝でした。欧州の馬場は日本のそれと比べて重いと言われており道悪適性のある馬が向いているのではないか、とかねてから予想されてきました。しかし十分な実力があってなおかつ道悪も得意、という馬はさほど多くありません。また馬場適性や実力が伴っていても、海外遠征に対応できる精神的な強さ、ケガなくレースに向かえる運など様々な要因が満たされて初めて参戦が叶うものです。今回もラブが直前の熱発で回避しています。

クロノジェネシスは、そのような考えられる要因全てをクリアしてロンシャンにたどり着くことが出来ました。日本国内では最も凱旋門賞向きな馬が、本当に凱旋門賞に参戦できるという数少ない年になる、と考えていいと思います。

ディープボンド

日本から参戦のもう一頭がディープボンドです。遠征前の主な勝ち鞍は阪神大賞典(G2)。天皇賞春2着の実績もあり、長距離向きの馬だと思われていたところの凱旋門賞参戦決定には少し驚きました。しかしそんな疑問符付きの評価は一変することになります。

先月12日に行われたフランスG2フォワ賞凱旋門賞と全く同じ条件で、凱旋門賞の前哨戦の1つである本レースにディープボンドが参戦しました。欧州の競馬ファンもディープボンドへの評価は高くなく、7頭立ての5番人気にとどまりました。しかしレースが始まると、好スタートを決めたディープボンドは先頭に立ち、そのまま後続を抑えて逃げ切り勝ちを果たしたのです。

フォワ賞は日本馬の参戦も少なくないのですが、勝利したのはディープボンドが3頭目でした。彼の前に本レースを勝っていたのはエルコンドルパサーオルフェーヴル。この2頭は本番の凱旋門賞で2着に入っています。このデータは吉兆として、ディープボンドへの期待を大きく高めることになりました。

日本馬が凱旋門賞に参戦する際には海外レースに馬を慣れさせたり、欧州の馬場への適性を確かめるために前哨戦を使うのが望ましいとされています。実際には直行する例も少なくない(クロノジェネシスも直行)ですが、直行した馬はあまり良い成績を残していないということもあり、やはり前哨戦は重要視されています。そんな前哨戦のフォワ賞におけるディープボンドの好走は、日本の競馬ファンに大きな期待を抱かせています。

スノーフォール

続いては海外馬の紹介です。スノーフォールは日本で生まれ、アイルランドで調教を受けて欧州のレースを走っています。父は「日本近代競馬の結晶」ディープインパクトいずれもG1のイギリスオークスアイルランドオークスヨークシャーオークスと転戦して3連勝の成績を残し、ロンシャンにやってきました。

前走のヴェルメイユ賞ではティオナに敗れましたが、調教師は馬場などの問題ではないとコメントし、本番の凱旋門賞では実力を発揮できるという見立てです。

凱旋門賞斤量の関係で3歳の牝馬が最も有利だとされています。今年の凱旋門賞に3歳の牝馬はただ一頭、スノーフォールだけです。ディープインパクトが世界の大種牡馬となるか、スノーフォールに期待が高まります。

アダイヤー&ハリケーンレーン

3歳牡馬が多く出走する今年の凱旋門賞ですが、特に注目すべき2頭をご紹介します。2頭とも父はフランケル。馬主はゴドルフィン、調教師がアップルビー氏であるところまで一緒です。いわゆる2頭出しと言われるやつです。

アダイヤーはイギリスのダービー馬で、前走のキングジョージを勝っての参戦となります。ハリケーンレーンはアイルランドのダービー馬。パリ大賞セントレジャーも制してG1を3連勝して臨みます。

ハリケーンレーンのパリ大賞は重馬場での勝利で、そのパワーは折り紙付きと言っていいでしょう。アダイヤーに騎乗するのは押しも押されぬ名ジョッキーのウイリアムビュイック。陣営の期待がうかがえます。2頭とも好勝負ができる実力を持っていると言えます。

ブルーム

5歳の牡馬です。主な勝ち鞍は今年のサンクルー大賞ですが、実績は欧州の他馬と比べると少し寂しいところがあります。

この馬が注目されるのは、日本のトップジョッキーである武豊騎手が騎乗するためです。数年前から、日本でも競走馬を所有する(株)キーファーズの松島氏が海外でも共同所有という形で何頭か馬を持ち、その中から凱旋門賞に出走させて武豊騎手に乗ってもらう、というプロジェクトが進んでいます。

今年はブルームがその大役を任されることとなりました。日本人騎手が凱旋門賞を勝った例はもちろんなく、武豊騎手が初の偉業に挑むこととなります。

 

他にも前哨戦ニエル賞を勝ったバブルギフトや、昨年のBCターフの勝ち馬でアイリッシュチャンピオンS2着からの参戦となるタルナワなどがいます。今年は有力馬の回避・引退が相次いだことで混戦が予想されており、出走する全頭にチャンスがあると言えます。また降り続いた雨の影響でロンシャン競馬場は重馬場となっており、特殊な馬場状態に対応できるかどうかもポイントになりそうです。

凱旋門賞は日本時間の23時5分に発走となります。地上波ではフジテレビ系列で、BSではグリーンチャンネルで生中継が予定されています。新たな歴史が刻まれる2分半を皆さんもぜひ見届けましょう!

 

おしまい

【wds3rd感想】うまぴょい伝説で泣く男

こんにちは、南極です。今回は約3年ぶりの開催となった「ウマ娘 プリティーダービー」のナンバリングライブである「ウマ娘 プリティーダービー 3rdEVENT WINNING DREAM STAGE」を配信で視聴した感想を書いていきます。

基本的には曲とパフォーマンスに対する感想です。触れない曲もあるのでセトリ通りではありません。演者やセトリ、マルチアングルについての感想もあります。よろしくお願いいたします。

GIRLS' LEGEND U (両日1曲目)

「やっとみんな会えたね」で泣かんやつおらん。ゲームで流れた時も泣いたけど。

やはり全員で歌うGIRLS' LEDEND Uは壮観の一言に尽きますね。本当に演者がウマ娘にしか見えませんでした。ウマ耳装着はもちろんですが、髪型やメイク・様々なグッズでウマ娘の姿に近づこうと努力してくださっていることが分かり、感動もひとしおです(ツインターボ役の花井美春さんはターボの瞳の色をアイシャドウで表現されていました、細かい!)。ウマ娘のライブを見ていることを実感した瞬間でした。本当に幸せだった。

彩 Phantasia (Day1・3曲目)

個人的に今回のライブで跳ねた曲1位です。ゲームではエアグルーヴの歌しか聞けないので良さを理解しきれませんでしたが、6人で歌うと印象がかなり変わりました。

具体的には力強さがかなり増します。ティアラ路線を勝ったウマ娘のための曲であり、華やかさと力強さが同居した曲調になっているのですが、複数人による歌唱によって前向きなパワーを強く感じることができました。オリメンの青木瑠璃子さん(エアグルーヴ役)は抜群の安定感でしたが、上田瞳さん(ゴールドシップ役)も声が出てた印象です。現地はもっとすごかったんだろうな…

何気に歌詞もすごく強気なんですね。「世界中敵に回っても 離さない ゆずれない 逃がさない」ですよ。G1勝つウマ娘はこのくらい強いメンタルを持ってないといけない、ということだと思うんですけど、それをあんな可愛らしい曲に入れ込むのがすごいですね。

とにかくこの曲の評価がめちゃ上がりました。WINNING LIVE 02 の発売が楽しみです。

帝笑歌劇 ~讃えよ永遠に~(Day1・7曲目)

「ていえむおぺら ~たたえよとわに~」です。テイエムオペラオーのソロ曲であるこの曲、明るく楽しいライブ向きな曲なのでぜひ聴きたいと思っていました。一方でたくさんあるソロ曲の中の1曲でしかないのも事実で、まさか3rdで披露されるとは思わなかったので僕にとっては嬉しいサプライズでした。

まず驚いたのは歌割でした。歌詞(Aメロの一部)を引用します。

(ビューティフォー!)「お待たせしたね、ごきげんよう!」

(ゴージャス!)「そうさ、真の本命の登場さ!」

(ワンダフォー!)「勝つのは当たり前、美しくなくちゃ!」

(ホントにパーフェクト!)「ボクこそナンバーワンだよ!」

文章にしてみるとヤバいな。私はてっきりライブでは「」内を歌うものとばかり思っていたのですが、蓋を開けてみると()内が歌われました。マジで??????????

別に文句はないんですけど、なんで()の方なんだろう。セリフ言った方が自然だと思うんですけど、観客が声を出せないからですかね?

この曲に限ったことではないのですが、やはりコールを前提にして作られたタイプのキャラソンは厳しかったですね。オタクの叫び声があって初めて成立するような曲もあるので物足りなさが残ります。ぜひリベンジして欲しい...!

徳井青空さんは完璧にテイエムオペラオーでした。すごかったです。

ENDLESS DREAM!! (Day1・8曲目/Day2・6曲目)

Day1とDay2で全く違った見せ方をしてきた曲です。

まずDay1。マジで星谷美緒さんが神です。キャラの声で歌いながら、本当に楽しそうにパフォーマンスをする姿が良すぎました。マヤノトップガンがダブって見えました。個人的にはMCや自己紹介で緊張気味だったのも良い。

そもそもマヤノトップガンの声優は今村彩夏さんだったのが、同氏の引退に伴って星谷さんに代わったという経緯があります。単純にマヤノトップガンと向き合ってきた時間が他の演者よりも少ない中で、抜きんでて素晴らしいステージを見せてくれたように感じました。

Day2はアニメにおけるカノープスのメンバー2人(花井美春さん・前田佳織里さん)が登場しました。アニメで重要な役どころを担ったカノープスがライブに呼ばれること自体には異論ありませんでしたが、一方カノープスにはこれといった代表曲がないので、ライブでどの曲を歌うのかが開演前には想像がつきませんでした。

ENDLESS DREAM!!はゲームではジュニア級でG1を勝つと聴くことができますが、曲自体は明るい未来を予感させるものでどんなウマ娘にも合うので、G1勝ちのないカノープスメンバーにも適していたように思います。アニメで活躍したキャラが多く呼ばれたDay2で、しっかりと彼女らも爪痕を残せたと感じました。

Silent Star (Day1・17曲目)

高野麻里佳さんとサイレンススズカが東京ガーデンシアターを支配してた。

筆舌に尽くしがたいのでもう何も書かん。

SEVEN→アウト・オブ・トライアングル (Day2・7→8曲目)

このつなぎ考えたやつ誰?マジで金払いたいから名乗り出てくれ。

シンボリルドルフのソロ曲からナイスネイチャのソロ曲へ、というつなぎです。この2人(頭)を並べられると、僕でなくてもその成績を対比したくなるのではないでしょうか。

シンボリルドルフはG1を7勝した正に伝説級の馬でした。常に王道を歩み結果を出し続け、見る者全てを魅了し、「皇帝」の二つ名にふさわしい活躍で最後は果敢にも海外遠征に挑みました。圧倒的な強さが話題を呼んだ馬と言っていいでしょう。

翻ってナイスネイチャは、G1での善戦止まりが皮肉にも話題を呼びました。一番有名なエピソードは「有馬記念3年連続3着」。マイルから天皇賞春まで幅広い距離をこなし、確実に掲示板(5着以内)に入るもののどうしても勝てない。器用貧乏さ、人間臭さが人気を高めることになったのです。

勝つ馬がいれば負ける馬がいます。G1であれば1つのレースで17頭は負けます。勝利という栄光の陰に隠れる馬が必ずいる。まさにこの2頭は、時代は違えどもレースの光と陰を体現したといっていいと僕は思うのです。

ウマ娘の話に戻りましょう。

SEVENは歌唱するシンボリルドルフを映しているかのように、レースでの勝利を希求し挑戦者を待つ曲です。飛び抜けた実力に裏打ちされた力強さと、トレセン学園生徒会長として周囲のウマ娘を引っ張っていく覚悟を示す珠玉の一曲です。ライブでは田所あずささんの良く通る歌声もあいまって、完成度の高いパフォーマンスに圧倒されました。

この後がナイスネイチャ。ヤバい。こんな希望溢れるシンボリルドルフの後がナイスネイチャです。温度差で風邪を引きそうです(ご時世的に憚られる表現ですねこれ)。それ以上に、ナイスネイチャの曲は内容がヤバいのです。

曲のテーマを端的に言えば「あなたの1番だけは誰にも譲らない」です。いついかなる時でも1着を目指すシンボリルドルフとは対照的に、ナイスネイチャトゥインクルシリーズにおいて勝てないレースがあることを完全に受け入れています。レースでは勝てない。主役にはなれない。それでも「キミ」を諦めたくないから、勇気を出して追いかけよう、という曲です。はっきり言えば一途な乙女心を描くラブソングです。

シンボリルドルフとはテーマが違えど、圧倒的な力強さを持っているのはナイスネイチャも同じなのです。その意味で、SEVENの後を受けられるソロ曲はアウト・オブ・トライアングルしかありません。激熱の野心には激重の恋心をもって対抗する。レースでは対照的な結果の2人がそれぞれの「心」を我々にぶつけてくれます。このつなぎが神なのは、シンボリルドルフナイスネイチャが、歌のテーマやウマ娘としての性格は違っていても、人一倍のほとばしるエネルギーを持つ2人であるということをセトリを作った人間がしっかり把握しているということが分かるからです。

ウマ娘運営一生ついてく...ついてく...

うまぴょい伝説(両日アンコール2曲目)

エモくはないかもしれません。まず電波曲です。万人にウケるタイプの曲じゃないです。ウマ娘全体のテーマ曲なのに、あんまりメッセージ性もありません。

それでも、ウマ娘をずっと支えてきた曲なのです。その曲がライブの最後に、たくさんのトレーナーの前で披露されるということ。これ以上の喜びはありません。

曲中の間奏を長く引き伸ばして、そこで演者に挨拶させてたのはいいなと思いましたね。どうしても最後の挨拶って尺が長くなりがちなので、曲中なら全員急ぐし悪くないなと思いました。

全体の感想・4thへの期待

3rdは全体的にクオリティが高くて驚いたというのが正直なところです。特にソロ曲は2017年に発売のCDの収録で歌って以来、という演者もいたと思うのですが、ブランクを全く感じさせない素晴らしい出来だったと思います。

Day1とDay2で演者が変わったことも大きいと思うのですが、セトリも次に何が来るか分からないワクワク感がありました。ソロ曲は全く読めませんでしたし、両日歌われた曲でも順番が違っているなど、Day1とDay2では全く違うライブになっていてとても楽しかったです。

実際にはなかったのですが、3rdで高確率でやるだろうなと思っていた曲がありました。それはStarting Gateに収録されている3人ユニット曲です。特にゲーム内のチーム競技場でBGMになっている「Fanfare for Future!(スペ・スズカ・テイオー)」や「奇跡を信じて!(タイキ・グラス・ヒシアマ)」などはオリメンがかなり揃っていたので間違いなくやると思っていましたがなかったですね。

それも含めて、3rdは新規に優しいセトリになるように意識していたのかもしれません。特にアニメ寄りの演者だったDay2はアニメさえ見ていればほぼ全部分かるようにセトリが組まれていたように思います。また演者の数に比べて披露された曲数が少なかった(両日ともアンコール込みで20曲)のも、下手にStarting Gateの曲を入れて盛り下がることを避けたかったのかもしれません。

まだまだライブ未披露の曲が残っているということ自体が、4thへの期待を高めます。ソロ曲をライブでたくさん聴きたいですし、3人ユニット曲も聴きたい。今後のCD展開によっては完全新曲も披露されるかもしれません。コロナ禍で次のライブを楽しみにするという当たり前のことが場合によっては難しくなっている中で、次があるということがどれだけ幸せなことかと思います。

ゲームが大ヒットしたことで、プロジェクトとしてはいよいよ安泰と言っていいかもしれません。しかしライブの展開はまだ始まったばかりで、無限の可能性があります。今回のライブで、ウマ娘の可能性はライブによって更に広がると確信できました。本当に純粋に次のライブが楽しみです。

マジで現地行かせてくれ。俺が行けそうな日程でやってくれ。頼む。

おまけ:ABEMAのマルチアングルどうだった?

今回の配信では、通常料金に約2,000円(通し券の場合)上乗せすることでマルチアングル機能を使うことができました。具体的にどのような映像が見られたのかを情報共有しておきたいと思います。何かの役に立つかもしれないので。

今回のライブではマルチアングル用のカメラは2台でした。会場を上から見た場合と向かって右から見た場合にカメラがどの位置にあるか、を示したのが下の図です。

f:id:ridethenewwave:20210904225711j:plain

斜線部はカメラの可動域のイメージです。カメラ①は会場の最後方の上部に設置。②はステージの向かって右側を広めに動いていました。以下気づいた点です。

カメラ①:カメラの動き、ズームはなし。全体を俯瞰できる映像で、演者がステージ上でどのように移動しているかを把握することができる。細かい振付や表情を見ることは難しかった。

カメラ②:クレーンで吊ったカメラを動かして、ステージの右側を撮影していた。右側に来た演者に寄ることができ、後ろに回ることもできる。大人数の曲ではステージいっぱいに演者が散らばるため、その時は割と良い映像になっていた。

なおメインアングルでは①②のカメラで撮った映像も使われていました。

この映像に2000円出すかどうかは本当に人によると思います。僕はもういいかなと思いました。特定の声優の動きを把握したいオタク、大人数の曲でも隅々まで把握したいオタクにはオススメです。そういう人でも2000円は高いって言う気がしますが。

 

お読みいただきありがとうございました。僕はアオハル杯に戻ります。

次回は凱旋門賞プレビューかウマ娘ソロ曲ランキングでお会いしましょう。

ウマ娘のゲームに何を求めるか?

 こんにちは、南極です。(どうせ身内しか見ないと思うからアレだけど)ブログの方ではお久しぶりです。

今回のブログは、2月24日のリリースまであと数日となった「ゲーム ウマ娘 プリティーダービー」について、

・こんなゲームになるんじゃない?

・こんなゲームだったらいいな~

みたいなことを書くやつです。よろしくお願いいたします。

 

 

ウマ娘ってなに?

いないと信じていますが、ウマ娘のことを全く知らん!という赤ちゃんが万が一にもいたら困るので、軽く説明をしたいと思います。

 

umamusume.jp

ウマ娘」。彼女たちは、走るために生まれてきた。

ときに数奇で、ときに輝かしい歴史を持つ別世界の名前と

共に生まれ、その魂を受け継いで走る――。

それが、彼女たちの運命。

 

この世界に生きるウマ娘の未来のレース結果は、

まだ誰にもわからない。

彼女たちは走り続ける。

瞳の先にあるゴールだけを目指して――。

 早い話、実在する競走馬の擬人化です。多彩な名馬たちが時代を越えて集結し、美少女になった「ウマ娘」の世界で競い合おう、というのが基本のコンセプトになっています。発表当初はサイゲームスの新IPとして注目されましたが、よくある萌え萌えコンテンツの一つとして捉えられ、あまり期待はされていなかった印象でした。しかし2018年春に放送されたアニメが大ヒット。美少女アニメの良さを生かしつつスポ根要素を取り入れたストーリーが高い評価を受けました。現実世界の競走馬や競馬界にまつわる小ネタを丹念に拾いあげる細やかさが評価され、オタクのみならず競馬ファンにも概ね好意的に受け止められています。かつてはあの武豊騎手がCMに登場していたことからも、競馬サークルとの良好な関係を察していただけると思います。

 

www.youtube.com 武豊が出てたCM。2年以上前だった

ディープインパクトは出ません。アーモンドアイも(たぶん)出ません。理由は長くなるので割愛

どんなゲームなの?

まずはこちらの動画をご覧ください(要点は下にまとめるので別に見なくてもいいですが、かなり美麗なレースシーンなどあるので見てほしい。動画2本で3分くらいなのでぜひ)

www.youtube.com

www.youtube.com

(2本目の0:03あたり、「馬」の字が少し違うのにお気づきでしょうか。ウマ娘は2本脚で走るので、点が2つになっているんです。細やかでしょ?)

ゲームシステムがある程度推測できますね。

・育成はパワプロシャニマスに近い

・レースに関与できるのはスキル発動時くらい

・ウイニングライブがある(これいる?

・次の育成時にウマ娘の初期値が上がる?「継承」システム

そんなに目新しさはないですが、継承は面白そうですね。とことん凝る人は凝るでしょうし、おまかせもできるみたいなので興味のないプレイヤーの負担にもならなさそうです。

 

次の項からはウマ娘のゲームに対する私見を述べたいと思います。

 

ウマ娘は競馬ゲームにはなれない

当たり前といえば当たり前なのですが、それでも強調しておきたい点です。競馬ゲームは数多くありますが、概ね「競走馬を所有し、レースに出走させる馬主シミュレーションゲーム」と定義できるでしょう。私の考えでは、競馬ゲームは主に3つの要素で構成されています。

一つ目は育成。これはウマ娘でもゲーム性の核となっており、おそらく競馬ゲームと同等かそれ以上に力を入れてくるであろうパートです。もちろん競馬ゲームには友情トレーニングはないですが、他の馬と競いながら勝負根性などを鍛える「併せ馬」と呼ばれるトレーニングがあります。いずれにせよ些細な違いでしかありませんし、むしろステータスをA、B、C、Dといったランクで表すことが多い競馬ゲームよりも、具体的な数値で表されるウマ娘のほうが育成しやすいかもしれません。

二つ目はレース。これもウマ娘と競馬ゲームで差の出ない部分です。ウマ娘では実在レースの一部が収録されなかったり、アニメ版で登場した架空のレースである「ドリームトロフィー」などが実装される可能性はありますが、ゲームの根幹にかかわるものではないといえるでしょう。

問題は三つ目の繁殖。「どの父馬とどの母馬を交配させて、○○の特徴を持つ仔馬を産ませよう」というのが繁殖の基本ですが、そもそもオスが存在しないウマ娘の世界においては、繁殖という概念が存在しません。私は当初、繁殖にあたるシステムは一切実装されないと考えていたので、前述の継承システムが発表されたときは「その手があったか」とひざを打ちました。

しかし、継承は繁殖の一部分をカバーするのが精一杯のシステムだと考えています。競馬ゲームには数百種類にも及ぶ種牡馬(馬のお父さん)が収録されるのが一般的ですが、これは種牡馬によって全く適性が違うことを表しています。体型にはじまり、スピードやスタミナ、賢さ、大人しいか荒っぽいかといった気性など多種多様な要素が親から子に受け継がれることが前提となるので、理想の馬を作るためには種牡馬の厳選が必須ともいえます。だから膨大な数の種牡馬が存在することになるのです。

また血統の要素も見落とせません。説明が難しいのですが(私自身もよく理解してない)、血統には相性の良し悪しが存在します。また馬に特徴があるのと同じように、スピードに勝る血統や、スタミナの強い血統、大人しい子が生まれる血統など、血統にも特徴があります。多種多様な血統の掛け合わせによって、父馬も母馬も未勝利で無名にもかかわらず、その子どもはめちゃくちゃ強い、という現象が起こったりします。これが繁殖の醍醐味となっているのです。

翻ってウマ娘に登場するのは、わずか69人のウマ娘のみ。この中から父と母(便宜上このように表現せざるをえないのですが)を選ばなくてはなりません。もちろん「スピード能力が高いスペシャルウィーク」や「スタミナのあるスペシャルウィーク」などを作って、同一名のウマ娘に異なる特徴を持たせることによって、疑似的に多くの種牡馬や繫殖牝馬を作り出すことは可能かもしれません。しかし「スペシャルウィークの血統」は一種類しかないのですから、どうやっても血統的な広がりをウマ娘の世界では再現できません。またスペシャルウィークの子(?)とスペシャルウィークが継承を行う、という近親にもほどがあるだろと言いたくなるような状況も発生しそうですね。

 このように、繁殖を再現できないことからウマ娘は競馬ゲームにはなれない、というのが私の主張の大きなポイントです。

 

 

競馬ゲームになれないなら

美少女コンテンツとしてゲームになることの強みを生かしてほしい。具体的にはコミュ部分の作りこみを重視してほしいと思っています。これには主に2つの理由があります。

1つは、コミュに力を入れることが実在馬に対するリスペクトになると思うから。有名馬の名前がずらりと並ぶこのコンテンツには、その馬のファンたちの目線が嫌でも集まります。それが分かっているから、運営もなるべくその馬のエピソードや史実での走りを取り入れるようにしていると思うのですが、限界もあります。

たとえばサイレンススズカは、その名前から連想されるようにおとなしい性格だ、ということにウマ娘の世界ではなっています。しかし、実際には牡馬らしく荒っぽい性格の馬だったとされており、ウマ娘の設定とは隔たりがあります。そうであるならば、設定の差をコミュの中で補完することが望ましいのではないでしょうか。ウマ娘の世界で大人しい性格に収まるような出来事があった、と描写すれば、現実の馬を無視したわけではないと示すことができるでしょう。

上に示したのはあくまで一例にすぎませんが、競馬という競技をコンテンツに昇華させるためには、そぎ落とされる部分がどうしても出てきます。ある程度のデフォルメはむしろ必要ですらあります。しかし一方で、細かいところをコミュで補うことも忘れないでほしい、と願うところです。

設定に関して付け加えるならば、現実世界のエピソードをそのままウマ娘の世界に輸入したものであっても、その設定にウマ娘なりの説得力を持たせたい、という事情もあります。

アグネスデジタルというキャラクターがいます。この馬の現実世界での実績はとても個性的なものでした。4~5歳にかけてマイルチャンピオンシップ南部杯天皇賞(秋)香港カップフェブラリーステークスという4つのレースに挑み4連勝を飾るのですが、これらのレースは全てG1(最も格が高く、勝つのが難しいレース)でした。しかもレースの施行条件もバラエティに富んでおり、前述の4レースは盛岡ダート1600m・東京芝2000m・シャティン芝2000m・東京ダート1600m(地名は競馬場所在地)。芝でもダートでも関係なく走り、田舎に行っても海外に行っても走るタフネスを持ち合わせていました。芝とダートの両方を勝つことすら難しいのに、大偉業をやってのけたアグネスデジタルについたあだ名は「変態」。実にコンテンツ力の高い馬でした。

さて、ウマ娘アグネスデジタルも、もちろん芝やダートを気にしないウマ娘として設定されています。では、彼女はなぜそのようなウマ娘になったのか。キャラクター説明には次のようにあります。

あらゆるウマ娘を近くで拝みたい一心で、芝ダート問わぬ万能な走力を見せつける。

ウマ娘アグネスデジタルが芝とダートを両方走れるのは、明らかに現実世界の実績を輸入して設定されたものです。しかし、それは現実世界の競馬の歴史を知っており、ウマ娘をメタ的に観測できる我々だから分かることです。ウマ娘の世界と現実世界は完全な別世界として考えられており、ウマ娘の世界の住人が現実世界の馬の実績を確認する方法はありません。つまりウマ娘の設定を説明するのに、「現実世界でそうだったから」というのは(少なくとも表向きは)通用しないことになります。したがって、ウマ娘の設定については、ウマ娘なりの理由が必要だと考えます。その意味で、アグネスデジタルの場合はとても良い理由が出てきたと思います。もちろん全ての設定に説明を入れるべきだとは思いませんが、そのキャラクターの根幹をなす特徴にはそれなりの理由もあってほしいものです。というか競馬を知らない人でもウマ娘を触ると想定すれば、そういう人でも納得するような理由を用意するはずですけどね。

もう一つの理由は、競走馬を擬人化したというコンテンツの特徴から言って、キャラクターの性格や考え方を表現することは必須だと思うからです。 

馬とウマ娘では様々な違いがありますが、一番大きな違いは感情や思考があることだと考えています。ウマ娘の内的なものにも注目し、心身のコンディションを整えることが期待されているのは、PVを見ても分かる通りです。また、レースの結果によって生じる喜怒哀楽をウマ娘と分かち合うのはトレーナーの醍醐味ともいえましょう。

上に書いたのは一般的な話ですが、個々のウマ娘を見ると心情描写に期待したくなるエピソードがたくさんあります。

現実世界では113戦0勝で現役を引退し、ウマ娘になっても連戦連敗、才能はないと断言されているキャラクターであるハルウララは、レースに出るということや勝つということをどのように考えているのか。モチベーションはどこからくるのか。そして、もしレースを勝ったとき、彼女はどのような顔をするのでしょう。

圧倒的なスピードで逃げて、ラストスパートで突き放す強さを見せたサイレンススズカは、現実では天皇賞(秋)でけがをしてそのまま亡くなってしまいました。もしウマ娘サイレンススズカ天皇賞(秋)を勝ったなら、その時特別な感情がわいてくるのでしょうか。馬の魂を受け継ぐということが何を意味するのか、ぜひ彼女を通して知りたいと思います。

ウマ娘サイゲームス肝いりのコンテンツとして発表され、アニメの大ヒットなど華々しい経歴を持っています。しかし、キャラクター説明とキャラソン以外の情報がなく、全く掘り下げられていないウマ娘も数多く存在します。キャラソンすらないウマ娘もいます。全てのウマ娘に愛着が持てるように、丁寧なコミュを書いてほしいと思います。コミュがゲームの人気を下支えするはずです。

 

育成シナリオはなんぼあってもいいですからね

育成システムが似ているゲームとして、パワプロシャニマスを挙げました。私はシャニマスに加えて、ソシャゲのパワプロや、パワプロのサッカー版であるパワサカをプレイしており、この項ではそれらのゲームを比較しながら育成シナリオについて考えたいと思います。

育成シナリオにおける、パワプロやパワサカとシャニマスの違いとして注目したいのは、シナリオ数の違いです。各ゲームのリリースからの年月と、育成シナリオの数は次の通りです。

パワプロ:6年2カ月で28シナリオ

・パワサカ:4年2カ月で17シナリオ

シャニマス:2年10カ月で3シナリオ

パワプロやパワサカが約3カ月に1回のペースで新シナリオを実装しているのに対して、シャニマスが1年に1回のペースであることが分かります。なぜこのような差が生まれるのでしょうか。その要因の一つは、様々な特徴を持つキャラを育成しなくてはならない、というパワプロやパワサカのゲーム性にあると考えます。

パワプロは投手と野手で別個のステータスを持ちます。投手能力と野手能力を両方のばそうとすると器用貧乏な選手に終わってしまうので、事前に育てたいポジションを決めておいて、投手なら投手能力を伸ばし野手なら野手能力を伸ばす、という育成が主流です。パワサカも同様に、ポジションごとに求められる能力に違いがあるので、ポジションごとに育成するのが基本となっています。

するとAシナリオは投手育成向き、Bシナリオは野手育成向きというように、複数のシナリオがそれぞれ意味をもつことになります。このシステムによって、新シナリオを実装してもインフレが起きるのを遅くすることができます。

シャニマスではステータスに違いはあれど、一つの育成シナリオであらゆるタイプのアイドルを育成できます。新シナリオの実装がそのままインフレにつながるので、新シナリオには慎重になっていると考えられます。

ウマ娘の場合はどうでしょうか。個人的には、パワプロのようにコンスタントに新シナリオを実装してほしいと考えています。理由は主に2つです。

 1つは話題性の問題。キャラクター数も多く、ガチャのピックアップで好きなキャラが頻繁に登場するわけではないと考えられる以上、プレイヤーがウマ娘に対するモチベーションを維持するのは簡単ではありません。また特段珍しいゲームシステムでもないため、ゲーム自体に関心を集めつづけるのも難しいでしょう。新シナリオの実装という話題を定期的に供給することが、アクティブを減らさないために効果を発揮するのではないかと思います。

もう1つは、ウマ娘パワプロやパワサカのように様々なタイプの選手を育成する必要がある、と推測されるからです。前述したアグネスデジタルのような化け物を除き、ほとんどの馬には芝とダートのいずれかの方が走りやすい、という適性があります。また、人間が短距離走者とマラソンランナーでは異なるように、馬も走る距離によって得意不得意があり、これを距離適性と呼びます。ウマ娘の世界では、距離適性は短距離・マイル・中距離・長距離の4種に分類されることがウマ娘公式ツイッターの投稿からわかっています。

馬がそうであるように、「ダート短距離のウマ娘」と「芝長距離のウマ娘」では、求められる能力が違うと予想できます。PVP要素であるチーム同士の対戦では、距離の違う複数のレースで勝負することが示唆されており、そこで勝つには様々なタイプのウマ娘が必要になるでしょう。育てたいウマ娘のタイプによって、複数のシナリオを使い分けるシステムにすることで、ゲーム性がより向上するのではないかと考えています。

 

まとめ

 長たらしく書いてきましたが、まとめると次のような感じです

・レース映像をはじめとして、ビジュアルはすごく綺麗に仕上がっている。ただゲームのシステム自体はそんなに珍しいものでもない

ウマ娘は競馬ゲームじゃない

・レースの勝ち負けはもちろん大事だけど、本物の馬とは違い感情があって話すことができるウマ娘との交流を通して絆を深め、彼女たちの喜びや悲しみを分かち合うことのできるゲームであってほしい

・育成シナリオは数を用意する方がいいと思う(運営の考え方もあるしわからんけど)

僕はウマ娘のゲームにめちゃくちゃ期待してます。競走馬の擬人化というテーマがウケるのはアニメで証明済みだし、時間をかけて作りこまれていてクオリティがとても高いし、ゲームシステムも変じゃなさそうです。これで面白くならないわけがないんです。ぜひ皆さんプレイしましょう。

少しでもやってみたいと思ったそこのあなた!まだ事前登録間に合います!ウマ娘公式ツイッターをフォローするだけ!!リンク貼っときます

twitter.com

よろしくお願いします。本当に。

 

おしまい

【ぺんぎん】凱旋門賞を見よう

こんちわ、ぺんぎんです。南極からアイマス成分を除いた何かです。よろしくお願いします。

さて、今日は年に一回のビッグレースである凱旋門賞の日です!パリロンシャン競馬場を舞台に、世界トップレベルの馬たちがしのぎを削ります。

歴代の名馬が挑戦してきたこのレースは、未だに日本馬の勝利がありません。最高成績は、1999、2012年の2着(エルコンドルパサーオルフェーヴル)、かのディープインパクトでさえ3着でゴール(のち失格)となっています。凱旋門賞を勝つことは、日本で競馬に関わる人たちの見果てぬ夢なのです。今年は3頭が参戦します!

キセキ(牡5)の特徴は「悪路が得意」です。彼は雨が降った時、真価を発揮します。これは水を含んで湿っている芝コースを得意としているという意味です。今日の現地の天気は曇り時々雨!彼のペースで進められればチャンスがあるかもしれません。

ブラストワンピース(牡4)の特徴は「走りのキレ」です。彼はレースの終盤に前の馬をまとめて追い抜く戦略、いわゆる「差し」「追い込み」を得意としています。この戦略は、コースの直線部分が長いほどやりやすくなります。パリロンシャン競馬場の直線は約530メートルで、これは十分な長さがあります。余裕を持って走ることができれば、ゴール前で猛然と迫ってくる彼の姿が見られるかもしれません。

フィエールマン(牡4)の特徴は「圧倒的スタミナ」です。彼が日本で勝ったレースは距離が1800〜3200メートルです。凱旋門賞は2400メートルですから、彼にしてみれば短いくらいとも言えます。また凱旋門賞のコースには坂の上り下りがありますが、彼もまた坂のある京都競馬場などで結果を残しています。凱旋門賞の条件に一番合っている馬かもしれません。

期待の日本馬を紹介してきましたが、今年の凱旋門賞にはヨーロッパの最強馬が出走します。エネイブル(牝5)は、一度勝つのも難しい凱旋門賞を一昨年、去年と連覇しています。すなわち、今年は3連覇を狙う年になるわけです。今年に入って3戦3勝と衰えも見えず、絶好調で今日を迎えました。あまりの強さにヨーロッパを中心として、他の有力馬は凱旋門賞の回避を表明してしまいました。そのため例年では20頭前後が出走するのに、今年は僅か12頭しかいません。それほど恐れられている女帝、それがエネイブルなのです。

とりあえずチーム日本としては束になってかかるしかありません。正直勝てないと思います。でも期待はしたい。皆さんも、異国の地で果敢にもレースに挑む3頭とその関係者を応援しませんか?2分20秒で全てが決まります。競馬興味ある人もない人もぜひ!!

出走は23:05です。多分23時ごろYouTube凱旋門賞と入れれば中継映像出てくると思います。

お読みいただきありがとうございました。